Amazonもトヨタも「資料はシンプルじゃないとダメ!」と言ってる。道具は目的を果たす使い方をするからこそ、その存在に意味がある。それができなのなら道具ではなく自分自身が「無能である」と自覚するほかは、ないんじゃないのかな~

「アマゾンの文化は独特だ。会議で、パワーポイントやスライドによるプレゼンテーションは行われない。会社の中での打ち合わせは答えを出すことが本当の目的であり、特に幹部を集めた会議はコストがかかるため、そこで答えが出ないならばその作業に関わった工程自体全てが無駄である」

この自らの見識を披露するのは、アメリカの通販最大手「Amazon」のCEOであるジェフ・ベゾス氏です。

彼は社内での「パワーポイントによるプレゼン」を全面的に禁止しています。そして、パワポは使わないかわりに6ページの意見書で要点を説明する形を推奨しています。

実際に、クリティカルシンキングを行うには、散文形式のほうベターだとする意見もあり、ベゾス氏もそう信じているようです。

なので、、、

新製品ならプレスリリース形式で文書を作るのですがこの方法だと、その提案がどのような形で市場に提示されるのかがイメージしやすくなるのです。

そして、パワーポイントの使用を禁止しているのは日本を代表する企業であるトヨタ自動車も同じです。トヨタは、社内向け資料にパワポを使用するのは「NG」としているのですが、

「なぜパワポが大手企業で使用されないのか?」

この点が、あなたにとっても大いに疑問になると思います。

道具は目的を果たす使い方をするからこそ、その存在に意味がある。それができなのなら道具ではなく自分自身が「無能である」と自覚するほかはない

私自身、パワポは素晴らしいツールだと思います。

 しかし、素晴らしいが故に問題があるのであって、その問題がAmazonもトヨタもパワポを禁止している理由です。

 パソコン上で使うツールに限らず、あらゆるツールに言えることですが、、、 

素晴らしいものが作れるツールは得てして複雑になり過ぎる傾向があり、パワポもまたその例に漏れません。つまり、、、

「作業効率が悪い」

と言えるのであって、あまりにも色々なことができるので資料作成に時間を掛け過ぎてしまい、相当な作業時間がかかります。

それにまた別の問題もあり、パワポはデザイン性に優れたツールであるので、簡素化され過ぎていたり抽象化されてしまい“作成者の意図を見ている人が理解するのに時間がかかる”あるいは“誤解を招く”といった可能性もあるのです。

これでは何のために資料を作ったのか?が分からず、典型的な目的と手段の履き違いにもなりかねません。

資料作りはあくまでも、、、

「答えを出すための補助」が目的であり「いかにきれいな資料を作るかのか?」が本来の目的ではないのです。この作業性の非効率化と、目的の履き違えの問題をベゾス氏もトヨタも懸念しているのです。

ではここで、改めて会議を行う目的とは何でしょう?

その目的とは、

「出席者同士で議論し、何らかの結論を出す」

というのが本来の目的です。目的を優先し「結論を出す」ことにフォーカスすれば、極論すると資料は何でも構わないのであり、その場でホワイトボードに書き込みしながら、

「では、この問題点を各人の視点で1点づつ答えてください!」

とお願いし、その場で書き出すやり方でもまったく問題はありません。というか、、、

その方が余計な事前準備の時間がかからず、手ぶらで会議に参加して“結果”という成果が上がる分だけ、効率的で効果的であるとさえ、言えるのではないかと思います。

そのため、トヨタではパワポ禁止の代わりにテキストによるプレゼンテーションを推奨しています。テキストでの作成ならば作業自体は極めてシンプルです。

なにしろ基本的には文字くらいしか使えませんので(笑)

すると、作成者は自分の思考を余計な手間をかけずにアウトプットすることが可能であり、よりロジカルにシンプルに内容を伝えることができるでしょう。それに自身の思考をテキストに落とし込んでいく過程で、

(あっそうか!ここが一番のポイントだ!!)

などと、現状認識や自己理解が深まることもあるのです。しかし、Amazonやトヨタは全面的にパワポの使用を禁止している訳ではありません。

あくまでも、資料作成の禁止は社内資料に限った話であり、外部の目に触れる資料はパワポの機能を最大限に生かし、美しく印象的で、聴衆の印象に残るようなプレゼンテーションを行う必要があると考えているようです。

的を外した資料作りをしていては「結論」というゴールを迎える事など出来はしない

とにかく、、、

資料が存在する目的は、プレゼンターの説明を聞くことで聴衆に意図が十分に伝わり、議論が活性化することであり、ビジネスをうまく回し、顧客を引き込むには人材もツールも「適材適所」で使用することが大切です。

ですから、“的を外した資料作り”をしていては、社内の人間にもお客さんにも伝えるべきものは、きっと伝わらないのであり、本末転倒の末に「結論」というゴールを迎える事が出来ない事が、資料作製においては最も避けるべき愚行になると思います。

本日もありがとうございました。

 追伸

私も「マーケティングについての見識を披露してくれ」と登壇を頼まれた事があるのですが、その時一計を講じ、

 「パワポは使わず、ホワイトボードに書き込みをしよう!」

といった方式で登壇を行いました。そして用意した紙をボードに張り出し、参加者に質問を投げかけて講師と参加者が意思疎通をする事が可能な形式で、議論が活性化する事を狙ったのですが、やはりそのような形式での講義の方が何かと盛り上がるのであって「場の雰囲気」も活性化すると思います。

もしかすると、あなたにも経験があるかもしれませんが、参加者の誰もが押し黙って下を向いたまま時間だけが過ぎるのを待つような会議は、ハッキリ言って「時間の無駄使い」であり“生産性の欠片もない!”と断じる事が出来ると思います。

組織というものは、ともすると硬直化しがちであり、個としてだけでなく全体で機能しなければ、拡大も成長も叶わなと思います。

だからこそ、「結果の出る方策」が必要になるのであり、その為の資料を作製できるのは“1つの立派な才能である”と思います~

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です