自分を諦めなった盗塁王『ロン・ルフロア:囚人から大リーガーになった男』

「運がよければ生き延びられる」と言われていた、犯罪の巣窟であったデトロイトの東地区。そこで生まれ9歳でタバコ、11歳で酒を覚え13歳でマリファナを常習し、15歳でヘロインを覚え、当時付き合っていたのは売春婦。

しかし、およそ社会的な成功とは無縁に思える経歴から、メジャーリーガーで活躍し、70~80年代には俊足好打の選手として勇名を馳せたロン・ルフロアは、犯罪多発地区のデトロイト東地区でも、名の知れた悪党として有名でした。

 そんな彼は、子分を2人従えてライフル片手にバーに押し入り、強盗を働くも逃走に失敗し逮捕され、19歳という若さで、全米中から重罪犯者が集められる、ミシガン州立ジャクソン刑務所に入所しました。

彼の容疑は武装強盗であり、そんな重犯罪の経歴を持つ人間がメジャーで活躍し、あまつさえ記録に残るような大選手になるなど、にわかに信じがたい話だと思います。しかし、そんなルフロアが刑務所内で知ったのが野球でした。そして、彼はその面白さの虜になり、野球選手としての才能を発揮するようになるのです。

 やがて彼の才能は、慰問に訪れた当時のタイガース監督ビリー・マーチンや、球団幹部の目にとまることになり、それが彼の人生を変える大きな転機となりました。

 しかし彼が、野球の面白さに目覚め人生を変えていく過程では、先輩服役囚からの忠告が、最も大きく影響していたのです

 自らを変えるには「諦めない心」こそが必要になる!

ルフロアに向かって先輩服役囚は「チャンスなんて逃すのは簡単だが、なかなか手に入るもんじゃねえんだからな」と諭したのですが、彼の考え方を最も変えたのは自分と同じように、社会に復帰するチャンスを与えられながらも、麻薬の再犯で刑務所に送り返された、元NBAの選手の最後だった思います。

その選手は最後、犯罪から足を洗うことができず射殺されたのですが、その話を聞いたルフロアは、自らの生き方を考え直すしかなかったようです。彼は改心し模範囚となり出所後、デトロイト・タイガースで68盗塁、80年にモントリオール・エクスポズで97盗塁を記録。ア・ナ両リーグを通じて盗塁王のタイトルを獲得しています。

そして、デトロイト時代の77年には球団史上2位となるタイ・カッブの34試合連続に次ぐ30試合連続安打をマークし、この年のオールスターに選ばれれるといった栄誉にも輝いています。

78年には初めて盗塁王となり、ア・リーグ新記録の27試合連続盗塁を達成しました。その時には記念に〝盗んだ〟セカンドベースを授与されるという栄誉に浴していますが、このセカンドベースは彼の「盗みの才能」が正しく使われた証であるとも言えるでしょう。

しかし、そんな彼が後に独白しているのですが、タイガースでメジャーの選手として成功を遂げた後でも、

「ロッカールームで大金の入った袋を目にした途端、それを盗みたいという衝動に駆られた、、、」

として、その衝動と懸命に戦ったことを告白しています。そして、人は長年にわたって染みついた思考や習慣を簡単に変えることが出来ないことを、このルフロアが心に抱える葛藤の大きさが、それを教えていると思います。

しかし、彼が自分の人生を諦めずに、自分の意志の力で人生を変えたのも事実です。人を縛る習慣や思考の力は大きなものではありますが、自分の考えていることを変えられるのは、自分だけであることも事実です。

人は他者からの干渉によって、自分の習慣や思考を変えることはできず、あくまでもそれらは切っ掛けでしかありません。自分を変えるかどうかは「全て自分の選択次第」であり結局、自分を変えられるのは自分自身でしかないのです。

そして、どんな境遇にあっても自分を知り、自分の才能に目覚めると、人は自分を変えようとするのでしょう。ルフロアは自らそれを証明したのであり、どんな人のどんな人生であっても、人は自分の意志次第で変えていくことができるのだと思います。

そして、自分を変えることのできるのは、自分の人生を諦めなかった人だけであり、諦めない心を持つことこそが、その人の才能と持っている資質を生かせる最高の方法になるのです。

本日もありがとうございました。

 

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