ネスカフェの「バリスタ」はこうして、できた!

40代以上のお父さん世代なら「違いがわかる男の・・・・・」というコピーを聞くと、ネスカフェ・ゴールドブレンドを思い出すそうですが、世代が違って20代となると、「まったくピンとこないな、、、」といったところが正直な感想だと思います。

それだけに、ゴールドブレンドというブランドが、いかに老朽化したブランドか?がおおよそ推測できてしまうのですが、しかし、そんなことは販売元のネスレ自身が百も承知していることであり、このままでは「親世代が飲むコーヒーというイメージが定着してしまい、将来的には顧客がゼロになってしまいかねない」といった危機感を抱えていました。

実際に、ネスレ飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒービジネス部の“高岡二郎”マーケティングスペシャリストは、日経新聞の取材で、強い危機感があったことを明かしています。

歴史があるブランドなら、そのブランドを支える顧客の年齢層が、50代以上と高齢化するのは自然なことですが、その一方で、若年層に対してはそのブランドを支えているイメージ自体が、浸透の邪魔をしているといった問題は「老舗ブランドならではの悩ましき問題」と言えるでしょう。そこで、ネスカフェは顧客層の若返りを図るためブランドの方向性を、大幅に変更する試みに出たのです。

今、顧客でないなら「すべての人がターゲット」

今現在のコーヒー市場には、コンビニの参入などもあり、本格的なコーヒーが手軽にしかも安く飲めるようになりました。(コンビニの100円コーヒーはあなたもよく利用しますよね?)

しかし、その反面、自宅でインスタントコーヒーを飲む若い世代が、減っているのも事実であり、そこでネスレ日本は「だったら、自宅でカフェ気分を味わう若者をターゲットにしよう!」と考え、専用のコーヒーマシンに

ゴールドブレンドをセットして自宅で飲んでもらうことを提案しました。(これはバリスタマシンのことですよ、、、)

このネスカフェ以外にも既存のブランドの多くは、顧客層の「若返り」が大きな課題であって「顧客の若返り=新規顧客の獲得」といった構図が見えてくるのです。そして「新規顧客」を獲得する場合、その定義を改めて認識する必要があるのですが、、、

新規というだけに「今は顧客ではない」と定義することができ今現在、顧客でないのなら、今と同じマーケティングを行っている以上は新しい顧客など「獲得できない」と考えるべきだと思います。しかし、意外とこうした発想のできない人が多いのであって、だからこそ常にマーケティング的な思考が、求められるのだと思います。ですから、結論を言いうと「新し顧客が欲しければ、新しい戦略を考えろ!」と言えるのであり、今の延長上で同じこと続けていては「顧客を取りこぼし続けるといった愚」を延々と続けることになるのです。

ネスレが狙った新規顧客は若年層でしたが、日経新聞の記事によれば『カフェラテの人気が示すように、若年層はコーヒーを牛乳で割って飲む傾向が強い!』とのことであり『高年齢層はブラックで飲む傾向がみられる』とネスレは推測していたと思われます。

そこで新たな顧客獲得の戦略を描いて「若年層の使い方にアジャストした商品を作る」といった戦略に出たのです。

なので、カフェラテにしたとき「美味しい!」となるように、少し苦めの風味に仕上げたのですが、実際の商品の開発には実に、、、1年半も費やすことになりました。そして『豆の焼き具合を強めて深煎りにすることで、ミルクを加えてもコーヒー本来の風味やうまみが、しっかりと残る商品にようやく仕上がった!』と、満を持しての市場投入となりました。

ですから、ネスカフェ・ゴールドブレンドは「若年層の好みに合わせて最適な商品を作りあげた」そしてその結果「念願のブランドの若返り」と同時に「新規の顧客獲得」とった目的を果たしたのです。

ちなみに、、、

商品のランナップ構成は4種類あり、

「いわゆるインスタント」

「ボトルに入った液体」

「濃縮され、希釈して使うタイプ」

「スティックタイプ」

と用意しました。

このミルクを使った商品群を眺めるだけでネスレが「カフェラテ」という飲み方を明確に意識していることが分かります。そして、細かな戦術的な部分でもHP上には「ミルクを使ったラテ」メニューを並べているので、ターゲットである若年層の顧客に合わせたレシピの提案で、より一層の訴求効果を狙ってるのが、見て取れると思います。

この戦術手法を眺めていると、ネスカフェとしては、どこにもうたってはいないのですが、、、

商品メッセージや、HP上でのレシピの提案で暗に「家でも、スターバックスやドトールのカフェラテに引けを取らない味わいを、楽しみませんか?」と伝えていると、推測することができるでしょう。あまり大っぴらに他社やライバルを名指しするのは、道徳的にも問題がありますが、こうした暗示的な戦術であれば当然、問題にはなりません。

ですから、むしろこうした巧みな戦術は、あなたの行うマーケティングでも積極的に取り入れるべきであり、ビジネスは「自分がライバルにやられたらイヤな事な何か?」といった視点で戦略、戦術を考えるのが基本です。

顧客獲得戦略の成功は「一貫性」と顧客心理を穿つ「一点集中」にある

ネスレは今回の新規獲得では、非常にシンプルな戦略を実行したのですが、『新規顧客の「使い方」を考えその使い方に合った「売り物」を開発し、その使い方にあった「売り方」を行っただけである』と言えるでしょう。

ですから、狙った顧客に対して「ミルクで割って飲む」という一貫性のある打ち手で「ターゲット顧客の心を鋭く穿った!!」と評価できると思います。その結果、日経新聞の記事によると『発売から約1年半が経過し、若者を取り込むという当初の計画は、ほぼ達成できている。既存のゴールドブレンドの購入者のうち20~30代は約3割だったが、新商品では6割程度と大幅に高まった』というのです。

新規ターゲット獲得戦略の要点は「一貫性をもって、狙ったその一点に集中すること」なのですが、、、

これが実に「言うは易く、行うは難し」であって狙った顧客1本に舵を振り切り、それを実行するのは、現実的には、なかなかやり切ることのできない難しいミッションであると思います。しかし、その難しいミッションをやり切り、セオリーに徹した戦略と戦術を実行できれば「新規顧客の獲得」は決して不可能ではないことを、ネスカフェ・ゴールドブレンドの躍進が証明してくれていると思います。

まとめると、、、

新規の顧客を獲得するには、まず商品から、売り方を考えるのではなくて、あくまで顧客の立場での商品の使い方、嗜好を考えることが大切であり、そして顧客に伝わる「売り方」を「一貫性をもって売ること」が結果を出す為に、最も大事なことになるのです。

もし、あなたのいるオフィスに、ネスカフェのバリスタマシンがあるならば、そのマシンをじっくり眺めてみる度に、このブログのことを思い出すかもしれません。そして「どうやって新規のお客さんをとっていこうかな?、、、」といった想いが、頭の片隅をよぎることになるでしょう

最後までありがとうございました。

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