あなたは「苦痛を伴う選択」を自分の決断で出来ますか?それができないなら、、、他の誰かに「ヤラれるだけ」だと思います、、、

各ジャンルの市場には、そのジャンルごとに「売れ筋」と言われる商品があり、その売れ筋商品を世に送り出す事ができると、企業は大きな売上を上げる事ができますが「かゆみ止め」と言われると、あなたが思い浮べるのは「ムヒ」ではないでしょうか?

池田模範堂の「液体ムヒS」は業界トップの売れ筋商品だと認識されている方が、多いのではないかと思います。

しかし、虫刺され・かゆみ止めのジャンルでムヒがトップブランドに認知されることになったのは池田模範堂の“ある決断”がありました。そして、その決断ができるかどうかは、あなた自身のビジネスの浮沈にも大きく関わってくると思います。

自社の都合で「やらなければならない事」をやらない、先延ばしにしていると「他の誰か」が、それをやるだけ

今からさかのぼること約50年近く前、液体型の皮膚薬の代表的な商品はムヒではなく他社の製品だったそうです。

当時のムヒはクリーム型であり、液体型は他社製品そしてクリーム型なら池田模範堂と業界内でも棲み分けができていたのです。

池田模範堂は1971年に液体型ムヒを発売しましたが、それから約20年後の90年代が過ぎまで、先行する液体型とは圧倒的なシェア差がありました。

池田模範堂は、自社の主力であるクリーム型ムヒへの影響を懸念し、自社の主力商品ではない液体型ムヒに対しては、大々的なテレビCMを打っていませんでした。しかし、池田模範堂の池田専務は、

「クリーム型を全て液体型に置き換えてでもシェアトップを取りに行く!」

と覚悟を決めて、93年から徐々にCMを液体型に切り替えていきました。

当時クリーム型のムヒは金属のチューブに入ったものであり、どこの家庭にも常備されるほどの売れ筋商品ではあったのですが、市場では扱いやすい液体型がシェアを伸ばしていくのは明かであり、クリーム型が徐々にシェアを落とすのは“火を見るより明らか”な趨勢でした。

しかし、将来的にはシェアを落とす、と頭では分かっていても「自社内製品の競合」は極力避けたいのが企業としの本音であり、ましてや、その商品が自社の看板的な商品であるなら、切り替えを行うのは二の足を踏むのが当然だったと思います。

なので、自社の看板商品が全て液体型に切り替わっても“今後、伸びるであろう市場に投資をする!”と決断し、実際にそれをやってのけるのは並大抵の決断ではなかっただろうと思えます。そして結果的に、その池田模範堂の決断は英断であったと評価されることになったのです。

結果的に池田模範堂の英断は「2014年のムヒの市場シェアは、競合商品を抑えてシェア約4割の首位」といった数字に表れています。

通常、多くの企業の場合、自社の主力商品が今後の市場では売れなくなっていく事が分かっていても、伸びていく市場に軸足を移すことができず、むしろ、

「今の主力商品を如何に守るか?」

といった方向に意識がシフトしてしまいがちだと思います。

しかし、、、

ビジネスには必ず競合が存在するのが普通であり、自社がやらなくても「将来の市場のシェアを他の誰か狙う」のは間違いがないことであると言えるのです。

だからこそ、市場の流れを追っていれば「自分で自分の足を食う」といった苦痛を伴う決断を、時には迫られることもあるでしょう。

しかし、もし「自分で自分の足を食いちぎる!」といった苦痛を受け入れることができなければ、その足を「競合が食いちぎる」といった最悪の事態を招くことになり、この場合「このままでは、ヤバい、、、」と思った時にはもはや手遅れといったケースがほとんどになるのです。

ライバルに食いつかれてから、その牙を振りほどこうとジタバタともがいても一度、喰らいつかれ開いてしまった傷口は、ますます広がっていくばかりだと思います

ビジネスの未来を手にする為には 「苦痛を伴う決断」を迫られる時もある

ここで競合といった存在の定義を考えてみると、、、

競合とは、お客様からみれば、

「自社商品・サービスの代替選択肢」であり、もっと簡潔に言えば、

「自社の代わりになるもの」です。

ですから、池田模範堂の場合、競合の基準を「自社のクリーム型ムヒ 」に対する「液体型の痒み止め」として認識していたら「主力となる看板商品を液体型かクリーム型か、どちらにするのか?」といった判断を間違え、取返しのつかない失敗を犯していたのではないかと思います。

お客様が、商品を購入する際に、ライバル商品との比較をすると思うのですが、

「ん~、どっちを買おうかな?、、、」

と迷った時、最終的に自社商品が選ばれなければ商売にはなりません。

ここで、もし池田模範堂が「うちの看板はクリームのムヒだ!」と客の多くが手軽さを求めている市場において、自社の都合にこだわっていたら現在のような市場シェアトップの座に座っている事は絶対になかったハズだと思います。

商売の世界では、

「自分(自分の商品)に食いついて来るものは全てが競合!」

であり、そこに業界の垣根やジャンル、ましてや自社の都合など一切の関係がないのです。

もし、あなたが素晴らしい商品や既存にはないサービスを考えだしたときに、

「これは、もしかすと、、、今ある自社商品とバッティングするんじゃないか?」

と考えた場合、売るのか売らないのか?といった判断の基準を自社内に限定してはいけません。

それでは、おそらく重要な判断を間違えることになり最悪の場合は、想像も想定もしなかった競合が異分野から現れて、あなたのいる業界を根底から変えてしまう可能性もあるのです。

そして、これはどのような業界であっても起こり得る「今そこにある危機」であり、明日はあなたの足が競合に食いつかれるかもしれないのです。

ですから、、、時には、

「自分の足を自分で食らう!」

「自分の腕であっても切り落とす!」

といった苦痛を伴う大きな決断がビジネスには必要であり、希望的な観測にすがって事実を見通す事ができなかったならば、あなたが未来の自分から賞賛される英断を下すことなどできないのです。

最後までありがとうございました。

追伸

今日の記事の要諦を、別の言葉で言い表すと「主観ではなく、あくまでも客観が重要である!」と言えるかと思います。

商売、ビジネスとは、、、お客、顧客、取引先、クライアント、ファンあってのものであり、自分の都合だけで完結するものではありません。

ですから、どこまで行っても「相手がどう思うか?」であり、自社の“理想”ではなく“都合”にこだわるのは、失策の元でしかないと思えるのです。

 

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