「違法駐車で罰金はらえ!」のハズが「食事の招待券をあげる」になったら、誰だって驚くでしょう?「顧客を感動させるサプライズ」ってのは、こういうのを言うんだよね~  

予想を裏切るという事は、あまりいい意味では使われませんが、、、

良い意味で人の予想を裏切ると時に、非常に大きなマーケティング効果が見込めます。

しばらく前にフェイスブックのニュースでも取り上げられたので、知っている方もいるとは思いますが、カナダのアルバータ州で起こったちょっとした事件?が世界的な広がりを見せている、と話題になりました。

そのちょっとした事件ですが、誰もがやってしまう可能性のある事件であり、褒められたことではないけど日常的にありふれた事件になると思います。

「ネガティブ」「マイナス」を取り除くと顧客が感動することもある

ある女性が夫と2人でレストランバーの「Original Joe’s(オリジナル ジョー)」に出かけた時のこと、、、

彼女は店内で食事をし、雰囲気の良さからお酒を楽しみ、くつろいだひと時を過ごしました。そして、そのお店にチェックインしたことをフェイスブックにリアルタイムで投稿していました。

しかし、こんなことは誰でもやっていることであり、身内や友人以外は特に話題にもしないようなありふれた投稿だったと思います。

けれども、問題にはなったのは食事のあとの事であり、しかしそれさえもそれほど珍しい事ではないと思います。

そのままクルマを運転して帰宅すれば彼女は「飲酒運転」となり、日本以上に飲酒運転に厳しい海外では、最悪の場合、留置所行きになるケースもあり得ます。なので、仕方なくクルマをそのまま駐車場に置いて帰るといった選択を取りました。

ただ、ここで問題になるのはお店には「無断でクルマを置いていった」という事実です。

なので、、、

「もしかすると罰金を取られるかも、、、」

「ひょっとするとレッカーでクルマを持っていかれているかも、、、」

と不安に思いつつ、最悪のケースも予想していたのです。

そして翌日、「Original Joe’s(オリジナル ジョー)」にクルマを取りに戻ると案の定、フロントガラスのワイパーに紙が挟んでありました。

と、ここで同じような経験のある人なら「警告!」とか「違法駐車禁止!」といった文字がデカデカと書かれていたのでは?と予想したと思います。

しかし罰金覚悟で紙に目を通した彼女が見たのは、お店のマネージャーJay McLean氏からの手紙でした。

そのフェイスブックに投稿された内容がこちらです。

=========================

オリジナルジョーご利用のお客様へ

ひと晩お車を駐車場へ置いていってくれましたことに感謝致します。

我々のレストランでお酒を飲まれたかどうかは分かりませんが、

飲酒運転をせずにご帰宅されましたことを嬉しく思います。

この手紙に、当店の美味しいチキンウィング1ポンド分のクーポンを

同封致します。どうぞお受け取りください。

かけがえのない命です。ステキなウィークエンドをお過ごしください。

オリジナル ジョー
シャーウッド店
マネージャー Jay McLean

出典: www.facebook.com

=========================

この予想外の対応に感激した彼女は一連の出来事をフェイスブックに投稿し、感動した多くの人の「いいね」や「シェア」で瞬く間に拡散された、、、という話です。

この話、事の発端は「無断駐車」ですから、まったくもって褒められるような話ではありません。むしろ、あまり人には知られたくない話として拡散されずに消えていくハズだったと思います。

しかし、マネージャーJay McLean氏の対応は、マーケティングと言った視点では非の打ちどころの無い「完璧な対応だった」と言えるでしょう。

彼は彼女の予想を裏切ったのですが、それは彼女の最悪の予想とは全く逆の結末でした。

そして、その良い意味での裏切りが彼女に「フェイスブックへの投稿」という行為を行わせ、その投稿は瞬く間に広がりを見せた事になるのです。

マーケティングでは「顧客を感動させろ!」と盛んに言われていますが、これは少し的外れな物の言い方だと思います。

おそらくマネージャーのJay McLean氏には「お客を感動させてやろう!」といった思惑などはなく、顧客との「繋がり」を大事に考え「罰金、レッカー移動」といった最悪の事を予想しているであろう顧客の不安を取り除く、といった行動だけを考えた結果の張り紙だったと思います。

その「不安」といった予想を見事に裏切る形で対応したからこそ、顧客から大きな感激を引き出す事ができたのだと思います。

そもそも「感動」とは誰のものか?「顧客を感動させる」とは自分の視点でやっているだけのことである

人は時に予想を裏切られ大いに傷つきますが、逆に予想を裏切られ、思わぬ感動に包まれる事もあるのです。そして、それがマーケティングの本質であり、顧客との繋がりに価値を置くビジネス本来の在り方だと思います。

ですから、「感動させてやろう!」といった安易な考え方で自分の行動を計算しているうちは、顧客に感動を与えるどころか、的外れな対応に終始してしまうと思います。

そもそも「感動させる」とは、自分という一人称からの視点であり、あくまでも感動するのは相手であって、自分の目線であれやこれやと考えても、それでは顧客が喜ぶような良いアイデアが浮かぶとは到底、思えません。

だからこそ、ビジネス、マーケティングの基本は顧客の考えている事を予想し、今回のような場合は顧客の「不安に思うことを取り除くこと」からスタートするのが最適解を手にする思考であったと言えるでしょう。

もし、あなたが今後、顧客の事を思わない「自分だけの視点」から的外れな対応をした場合、その行動の結果は予想以下のなんとも残念な結果であり、それでは投稿も拡散もされることのない、

「誰からも感動されない、ありふれた話題」

のままで終わってしまうと思います。

これでは良い意味での「裏切り」など起こらず、それではあなたのマーケティングが人々の噂になる事もないのです。

最後までありがとうございました。

追伸

人間の脳には「次にどんな事が起こるか?」といった事を予想する機能があります。

そして、その脳の機能を知っていると、「顧客を上手に裏切ることができる」そして、その結果「自らが欲しい結果を手にすることが可能になる」と言えます。

予想を裏切るとは、言い換えると「意外性」を持たせる事でもあるのですが、具体的にどうすれば良いのかは、こちらを読んでいただけると分かります。

  ↓

脳科学の応用、、、騙された人が喜んで買ってくれる!「画期的な商品の売り方」

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です