「自分が損をしても相手に利を与えない!」そんな思考では、もはやビジネスマン、経営者とは言えません、、、

ハンガリー出身の数学者フォン・ノイマンは人間関係の分析を、科学を使ってロジカルに証明しようと考えました。しかし、人間関係の複雑さはチェスや将棋のように簡単に分析することができないので「何かもっと簡単なテーマはないか?」と考えた結果“じゃんけん”を分析することから解明する事を考えました。

じゃんけんは、相手を倒せば自分の勝ちという非常にわかりやすいゲームなので、複雑な人間関係を理解する第一歩としては最適だったのだと思います。

このじゃんけんを元にしたことがノイマンの理論を「ゲーム理論」と名付けるきっかけになりました。そして、じゃんけんを分析するうちにノイマンはある発見をしたのですが、それは、じゃんけんが「ゼロサム・ゲーム」である事でした。

ゼロサム・ゲームとは、、

勝った人と負けた人の総和が、必ず0で終わるゲームを指します。ジャンケンで、互いに出せる手はグー、チョキ、パーの3つです。そして、その組み合わせは3 × 3で9通り、勝敗のパターンは「Aの勝ちBの負け」か「Aの負けBの勝ち」もしくは「引き分け」の3つしかありません。

そして、勝敗に対して点数をつけ勝者は1点取得、敗者はマイナス1点、引き分けなら両者とも0点とすると、特典の組み合わせは、「1点と-1点」「-1点と1点」、そして「0点と0点」の3パターンです。

この3つのケースは、どの得点の組み合わせでも全てが0点となり「ゲームの総和はゼロ」となる極めてシンプルなゲームです。

しかし、実際の取引きが行われるビジネスの現場では、このような単純なケースで、結果の白黒がつくといったケースはほとんどないと言えるでしょう。

ビジネスでは時には「引く勇気」も必要になる

ビジネスでは、売上げを上げ、利益を得ることができなければ最終的には会社が破産します。ですから、最初から負けてもいい(儲からなくてもいい)と思っている人など存在しないのであり、勝ち負けの総和が必ず、単純な0になるとは限らないのです。それは、負けた場合、つまり破産した場合、単純な「ゼロ」では終わらず、借金などの負債を負う事になるからです。

なので、大きな視点で見た場合、双方が引き下がらず諦めようとしない限り争いが続けば、どちらが先に根をあげるか?の「チキンゲームの」様相を呈する事になってしまう、、、ビジネスの現場では時折、このようなトラブルの事例を見かける事があります。

チキンゲーム、あるいはチキンレースと言われるものをあなたも漫画や映画で見たことがあるかと思いますが、例えば、崖に向かって車を走らせ、どちらか先にブレーキをかけた方が負け!といったような、度胸比べ、根性比べがチキンゲームと言われるものです。

しかし、実際のビジネスの現場でこのようなチキンゲームが「本当に行われているのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。ですが、ビジネスの現場だからこそ互いの主張が均衡し、チキンゲームのような状況が起こることは決して珍しくはありません。

その一例として、、、

経営上の意見対立から起こる「お家騒動」などは、まさにチキンゲームの代表であると言えるでしょう。そのマスコミを騒がせたお家騒動の最近の事例で言えば、創業者である父と、娘が骨肉の争いを続け、最後は分裂してしまった「大塚家具」の経営問題や、創業家と経営陣が激しくぶつかりあった外食の「大戸屋」の騒動は、両者の主張が、全く歩み寄ることがなくマスコミも巻き込んでの大騒動となり、まさに両者が1歩もひかないチキンゲームになりました。

どちらかが先にコースを逸らせば、つまり争いから降りれば、相手の勝ちであり、相手の得るものが大きくなってしまいます。すると、感情的な面からも「絶対に譲ることなどしない!」と頑なになってしまい、最悪の場合は双方共倒れというジレンマから抜け出すことができません。

しかし、このチキンゲームから抜け出す解決策は3つあり、

「互いにゲームから降りるか?」

「自分だけが引くか?」

「価値を譲らず、共倒れをあえて選ぶか?」

の3つです。

しかし、相手を出し抜くことができない以上、遺恨をできるだけ残さず、互いに手を引くのが最善の解決策となるのであって、お互いが命を落とすという最悪の事態は避けるべきだと思います。

ですから、チキンゲームの様相を呈した際には「もうこんな無益な争いはやめよう!」と声に出せる者こそが、勇気ある勝者であり、勝者のないままの結末で終わらせることが、チキンゲームの最善の幕の綴じ方になるのだと思います

「やれるだけ、やってやる!」 「自分が損をしても相手に利を与えない」これは、もはやビジネスではない

ビジネスをうまく回すための学問は様々にありますが、結局、最終的に言えるのは、ビジネスは人間関係の上に成り立つものであり、常に相手の立場や気持ちを思いやる心がなければ、“WinWin”どころか最悪の場合、双方が命を落としその結果、全くの第三者が漁夫の利を得るといった、非建設的で破滅的な結末を迎えることになるでしょう。

しかし、これでは再起をかけてビジネスを始める以前の問題として、自ら「事業家としての威厳に傷をつけた」と言えるのであり、その後の経営がうまく行かうかどうかは、甚だ怪しいものだと思います。

本日もありがとうございました。

 

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