「確率論を応用したマーケティング、DDM」これがなければUSJは倒産していた!?

DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)は経験や直感だけに頼らず、データという“事実”を重要視するマーケティング手法ですが、このDRMのようにデータを基点とした状況認識とマーケティング戦略を構築する手法として「データ・ドリブン・マーケティング」(DDM)という言葉が流行っています。

そして、このDDMを駆使し、そこに独自の確率思考から打ち出されたアイデアを導入して、短期間でUSJの業績を奇跡のV字回復させたのが元ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)である森岡毅氏です。

そして、森岡氏はDDMのカリスマ的存在ですが、そんな彼がUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に入社して最初に発した一言は「このままいけば、会社は倒産します!」という衝撃の一言でした。

DDMの本質は、、、お客様に選ばれる確率を上げることにある

当時、USJは東日本大震災の影響を受け客足が激減し、銀行との「財務制限条項」に抵触する寸前と言えるほど、キャッシュフローの悪化を予想することができたそうです。

「会社の財務諸表をきっちり把握すること」

これは正確な分析を行うのであれば、基本的な考え方であると森岡氏は提言します。

損益計算書と貸借対照表で会社の状況を把握する事は、経営者の義務であり、この2つの把握ができていなければ船(会社)をどの方向に進ませるのか?を正確に判断することなどできないでしょう。

DDMは各理論を応用したマーケティングでもあるのですが、、、

年商を52週で割れば一週間ごとの平均の売上が分かります。そして「その一週間の売上が何によってもたらされたものなのか?」を考える事で次に「どの数字の確立を上げればいいのか?」といった事が分析できるようになるのです。

つまり、、、

会社の売上という数字は、確率を高める事で積み上げていく事が可能であり「会社の売上を支配している数字は何か?」を把握し、その売り上げを支配しているものをコントロールしていく事が、DDMとDRMの神髄であり、双方ともに考え方は同じであっても数字に対するアプローチと、対象とする数字が違っているのが、異なる点になると思います。

森岡氏の確立思考の戦略の1つの核となる概念が「ポアソン分布」と呼ばれるものですが「ポアソン分布」とは、、、

酒やたばこなど依存型の嗜好消費品を除けば、ほぼ全てのカテゴリーの個人購買行動を表すことのできる分析手法の1つです。

例えば、あなたがコンビニの100円コーヒーを飲むのに、一週間の頻度が平均5回だったとして、毎週ごとにきっちりと5回買う訳ではないでしょう。必ず購入頻度にはばらつきがあり週3回や、週8回とムラが出ると思います。

しかし、長期的な視点でみれば「1年間」という期間では、コーヒーを買う確率は、平均5回の山を中心に、山型の購買分布になるのであって、価格帯の異なるテーマパークのチケットも日常雑貨品も、趣味の雑誌購入も購買の確率論の前では「全てが、同列の商品」であると考える事ができるのです。

そして、大事なことは個人個人の行動を個別に追いかけていては、買ったり買わなかったり、、、と一定のパターンを見出す事が出来なくても、人間全体の行動パターンを眺めた時には「ある一定のサイクルがある」と言えるのであって、市場全体として大きな視点で見た場合「如何に購買の平均確立を底上げするか?」を考えるのが重要であり、売上という数字を上げるには「これしかない!」という結論に至るのが確率論的な思考方法になるのです。

これをもっと別な言葉で当てはめると、、、

市場の認知率、配置率(客の手の届きやすい範囲に商品を置く事)を高め、商品に対する好感度を上げる事で、お客様に「この商品を買ってもいいかな、、、」と選ばれる確率を上げるのが、DDMの本質になると思います。

ですから、

「今日は何人のファンを増やしたかな?」

「今日はどれだけ好感度を上げられたかな?」

と考えながら自分の仕事にDDMの思考を落とし込む必要があり、確立論からはじき出された数字を実際の業務のテーマとして扱えない限りは、DDMが実践的な意味を成す事はないのです。

数字は具体的な行動にまで落とし込めなければ意味がない

USJが奇跡のV字復活を果たしたのは、選ばれる確率を目標値まで引き上げるために、目的を設定し「ギャップを埋める為のブランドは何か?」を考えた末「ハリー・ポッター」のプロジェクトを成功させたからだと思います。

分析とは、、、

数字を淡々と扱うものですが分析には2種類があり、1つはデータを基にただ単に数字を割り出したもの。そして、もう1つは、、、割り出し数字を、具体的な業務目標にまで反映し「自分が日々の業務で何をテーマとして扱うのか?」と具体的なものにまでが落とし込まれた分析の2つです。

そして「良い分析」とは当然後者であり、最終的には目標に対する人の行動を実際的に左右するのが、DDMにもDRMにも共通した分析思考だと思います。

ですから、「良い分析」とは人間の体温が感じられるものであり、冷たい数字に「人間」という要素を反映しない限りは、せっかくの分析が活かされる事などないのです。

最後までありがとうございました。

 

 

 

 

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