「目指したのはガラガラ!」賑わいではなく“落ち着きを戦略にした西松屋”は付加価値の正解を手にしたな~と感心するね~!

ビジネス上の戦略を考える時、如何にして競争を勝ち抜くかかに重点を置き計画を立てる方が多いでしょう。

私もこれまで様々なビジネス上のお付き合いを通して、

「こんなサービスは、どうだろうか?」

「こうした差別化が有効なんじゃないか?」

といったご相談を数多く受けました。

競合を意識して差別化を図ろうとするのは当然の事であり、むしろ積極的に行うべきものであるのは確かですが、、、他社の新しい試みが成功したのを見て、

「うちも、何かしなければ」

「あそこと、うちを比べて優位なのは何か?」

といった、焦りや競合に追いつけ追い越せとの思いで、自社の強みを伸ばそうとした場合、その試みはほぼ9割方失敗に終わるでしょう。

多くの方が勘違いしているのですが付加価値をつけるのと、差別化を図るのはイコールではありません。差別化を図るために付加価値をつけるのではなく、

「付加価値を追求したらその結果、差別化になった」

という姿勢で戦略を考えなければ本当の差別化にはなり得ません。他社の強みや取り組みを見て自社に何らかの付加価値をつけてしまうと、結局は基準が他社にあるのであってお客様、市場から見た場合、

「どこが違うの?」

といった認識で終わってしまうと思います。そして、

「ああ、あそこの二番煎じね、、、」

といった程度の認識しかされないと思います。これでは「差別化を図る」のではなく「既に競争優位に競合を更に引き立てている」といった結果に終わるでしょう。このような強みは強みではなく「弱み」であり、付加価値どころか「価値がない」と自ら公言しているのも同じです。

西松屋が目指したのは「賑わい」 ではなく「落ち着き」という集客戦略

では、本当の差別化につながる付加価値の見つけ方とは、なんなのでしょう?

それを簡潔に表現すれば「捨てる」という事になると思います。

そして、「何を捨てるのか?」というと具体的には、競合他社の持っている強みや成功事例になるのです。

競合他社の持っている強みや成功事例はあくまでも、ライバルの強み、成功事例であっていわば相手の得意な「土俵」であり、その相手の絶対的に有利な土俵の上で戦っても勝てる見込みが、そもそも薄いと考えた方が良いでしょう。

つまり、、、

競合を基準に考えている限り「独自のポジション」などを築く事は、到底不可能であると思います。

では、競合に対して「独自の付加価値」を追求した場合、どのような事例があるのか?

面白いケースとしては子供服の「西松屋」があるでしょう。西松屋は「快適なショッピング環境」という付加価値を追求した結果、

「集客を捨てる」

といった戦略を取りました。

こう聞くと「そんなで売上げが上がるのか?そもそも立つのか?」と驚かれると思いますが、捨てる事で逆に「拾う」「高まる」といった結果を、手にする事ができるようになるのです。

西松屋は全国に803店舗を展開していますが、どの店舗もいつもガラガラで(もちろん比較的、混雑する時もありますけどね)西松屋の戦略を理解していなければ、

「こんなに客が少なくて、大丈夫なのか?」

と心配になるくらい、人がまばらで集客に必要とされる賑わいが、あまりありません。しかし、それが西松屋の狙いであって200坪以上の広い店舗であっても接客担当は2名だけ。ワゴン販売やマネキンも置かないので店内は少し殺風景にも見えますが、ベビーカーを押しながらショッピングするには障害物のない広い通路は快適であり、

「快適なショッピング環境の提供に、徹底した結果」

が現在の販売スタイルとなりました。

一般的な繁盛店のイメージといえば人が多くて、店内が賑やかで、、、といったものですが、その人ごみや店内の騒々しさは、乳幼児を連れた母親にはストレスにしかなりません。

私も義理の妹の子供たちを見ていると「こいつらを連れて一人で買い物だ?地獄だな、、、泣きだしたら、こっちが泣くぜ、、、」と思わずにいられません。

ですから、他のお客さんにも迷惑をかけず、広々とした店内を気ままに「散策」しながら買い物できる環境というものは“常にストレスに晒されるお母さん”にとっては最高の環境だと言えるのでしょう。

だからこそ、西松屋が考えたのが、子育てに忙しく疲れている「お母さん」への、

「快適なショッピング環境の提供」であり、

「お客様をたくさん集める」

といった発想を捨てたのです。

その結果、サービス産業生産協議会の調査では衣料品専門店では、堂々の「顧客満足度1位」といった評価を得ています。西松が目指したのは、、、

「大勢の人を集めた賑わい」ではなく

「閑散とした静かな環境」であり、

「お店がガラガラ」といった付加価値が、他社との差別化になりました。

「捨てる」という行為によって独自性が生まれ、新たな価値が生まれそして、新たなポジションが築けます。

その新たなポジションが結果的に差別化となり「あそこは、他所とは違う」といった市場の認識に変わっていくのだと思います。

前提が変わると「正解」が「不正解」に様変わりする事がある

差別化とは付加価値を付け足すものではなく、競合の強み、成功事例を捨てる事であり「引くこと」で初めて生まれてくるものではないかと思います。

人は“付加価値を加える”という言葉を聞くとついつい「何を足そうか?」といった発想をしてしまうのですが、物事には全て「前提条件」があり、その前提が変わると時として正解が不正解に変わります。

今回の場合、絶対的に重要となる前提条件を「競合の強み」に当ててしまうと、「付け足す」といった発想自体が正解から遠ざかってしまうものになるのです。

だからこそ、「付加価値とは何か?」をよく理解することが大切であり、今回の話を前提にすると、、、

「他者(他社)の強みを捨てて自分だけが手にできるもの」

これが「今回の正解となる付加価値」の定義になるのではないかと思います。

最後までありがとうございました。

追伸

こちらの記事もマーケティングので「やらない」といった事についての記事になります。「業界の慣習に従わない」といった前提に立つと、どのような発想ができるのかについて書かれています。

週末、お時間があれば是非お読み下さい。あなたもアメリカ国内大手の小売店チェーン 「Michals」(マイケルズ)のような成功のきっかけを手にする事になるかもしれません。

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