収益を上げるには「ものを売る」という以外に、業務の効率化を図るなど、、、
無駄な経費を省く、ロスを減らすなどの効率化という観点もあり、会社経営ではこの効率化はとても重要だと思います。
なので、、、
自社のロスの改善や、スリム化など業務効率を上げた場合、どれだけの利益が浮かぶのかが焦点となるでしょう。
しかし、その効率化によって肝心な売上が減ってしまうようでは本末転倒なのですが、案外、効率化による売上げの低下を招く事態は身近にあると思います。
効率化は必要だけれども、効率化によるデメリットには最大限の注意が必要!
効率化を推し進める事で、最も大事なお客様をないがしろにするような事があれば売上には、大きな影響が出るでしょう。
しかし、こうした事を考えないまま効率化し、お客様の心が離れていくといった事態は頻繁に起こっていると思います。
例えば、、、
新商品が出ると、営業マンなら得意先回りを行うと思いますが、その際カタログなどを用意して出向いてくと思います。
しかし、「得意先回りをもっと効率化しよう!」と考えて、何も考えずに省けるものを絞ると、、、
「得意先までの交通費」と
「カタログの作成費」が浮かびます。
得意先まで行く時間と交通費がもったいないので、カタログをPDFにしてメールで送れば、移動時間、交通費、カタログの印刷代と“一石三鳥”で最大限に効率化できます。
それに電話で説明も済ませて、問い合わせも全てメールの返信で済ませてしまえば、一歩も会社から出る必要もなく非常に効率的と言えるでしょう。
しかし、、、
「これで売上も上がって効率も高まって万事、首尾よし!」
となるのでしょうか?
そんな事、当然、、、なる訳がありません。
これらの効率化は、あくまでの「売る側の都合」であって、お客様のことなど微塵も考えてはいない、ただの勘違いだと思います。
確かに、移動経費や印刷代の削減など効率化によるメリットはありますが、、、
その反面、メリット以上のリスクが伴います。そのリスクとは、、、
「お客様が離れていく」
というリスクです。
商売で最も大事であり、大切なお客様が、あなたの元からいなくなってしまうでしょう。
営業の仕事は「お客様とのコミュニケーションを図るのが大事な仕事」というより、これこそが一番大事な仕事だと言えるでしょう。
直接、相手に会って話をし顔を見るからこそ、信頼や信用を重ねていく事になるのです。
しかし、「経費削減」「業務効率化」の大号令のもと、お客様との接触を絶ってしまえば、、、自ら首を絞める事になるのは明白であり、それまで懸命に築いてきた信頼関係も一気に崩れてしまいます。
これでは、効率化で経費を削減し増益した利益など、簡単に吹っ飛びます。
ですから安易な効率化を行って逆に、売上げを落とす会社もあるのです。
確かに無駄なものを削減し簡略化、効率化を図る事は必要です。しかし、その効率化のしわ寄せをお客様に被せるようでは、肝心な売上に悪影響を及ぼすでしょう。
業務を効率化する事で最も大事なのは、
「お客様に対する影響はあるのか?」
これを考える事だと思います。
この検証が甘いまま、下手に効率化したところで、本末転倒になるのがせいぜいです。
ですから、競合が効率化しお客様の負担が増えているなら、自分は敢えて非効率な事を行えば、それだけお客様が喜び支持される事だってあるでしょう。
例えば、他社がメールでのやり取りを行い、業務を効率化しているところに、自分は時間を使い交通費もかけ得意先まで出向いたなら、お客様はどんな反応をするでしょう?
遠方のお客様であれば、まず間違いなく、
「遠くまで、わざわざご苦労様、、、」
と思うでしょう。それに、お客様も相手の顔が見える方が安心します。
「相手に会いに行く」というのはそれだけで「誠意の現れ」と取ってもらう事にもなるのです。
ですから、「効率化するな」とは言いません。
しかし、、、
効率化が、どうお客様に影響するのか?は慎重に考える必要があるのです。
自社の都合でお客様の都合を省いてしまうのは、ただの痛い勘違い
一方的に身勝手な都合で、自分にかかる経費を削られて喜ぶ人などいないでしょう。だからこそ、営業やサービス面での効率化をやるか、やらないかは、よくよく考え効果とリスクを見極める事が重要です。
「効率化」はあくまでも、、、「無駄を省くこと」が目的であり、自社の都合でお客様の都合を省いてしまうのは、ただの勘違いからくる“我儘”に過ぎないと思います。
最後までありがとうございました。
追伸
2日前のブログの追伸で“とある派遣社員”の体験をシェアさせて頂きました。この話は雇用という経費を「効率化」する為に、真面目に半年も低賃金で働き“働く姿勢”を見せた者に、勘違いによるワガママを通そうとしたバカな経営者のお話でした。
この話を人づてに聞いた時「S」は正直に言って“むかっ腹”が湧きたちました。「S」は自動車業界の一画で働いていた経験があるのは、読者の方らならご存知だと思うのですが、自動車業界なんてものは、上意下達の典型のようなもので、要は、、、「弱い立場の者が泣くしかない」という世界です。
まぁ、このような話はどこにで~も見られますがぁ!いざ泣き寝入りしなければならない立場を幾度となく経験すると、
「ふざけるなよ!このクソがあ、ああン!」
と一度や二度は言ってみたいと思う経験をする事になるでしょう。まぁ、言ったら最後ですけどね、色んな意味で、、、
ですから“叩かれる経験”なんてものは何度もやりましたし、逆に立場的に(一応、管理部門の課長やってましたから)価格交渉なんてものを業者さんに対して、やらなければいけない事も多々ありました。
しかし、叩く立場を“楽しい”と感じたことは一度もありません。むしろ、
「は~嫌な役回りだね、、、もっと予算が欲しい」
と心底、思いまいたよ。
で、こんな事ばっかやってると、そのうち「何でもかんでも出ていくものはカットしろ!」の一辺倒になってしまい、最悪は「やってはいけない効率化」を平気でやってしまうようになってしまいます。
その対象は、何もお客様ばかりではなく、時には自社の社員であったりして、その最悪のケースが冒頭の派遣社員の話です。
こういうバカをやらかさない為には“無駄とは何か”という定義をはき違えてしまってはいけないのであり、効率化による弊害の危険を意識している必要があるんじゃないかと思う次第ですゥ~
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