「コンビニの24時間営業も曲がり角にきた時代」は荒天に準備するものだけが生き残っていく時代になるのです~

かつてイトーヨーカ堂は本部の入り口に「荒天に準備せよ」というスローガンを掲げていました。

これは、大規模店舗に対する規制強化の影響から、創業以来はじめて減益決算となった1982年に当時の伊藤雅俊社長が、

「これから日本は供給が需要を上回り、物が売れなくなる時代がやって来る!」

と予見し、そんな時代の到来に恐怖を感じたからだそうです。

平和のシンボルである「ハトのマーク」でお馴染みだったイトーヨーカ堂ですが、その当時の社長の心中は、これからやって来る小売業の冬の時代を考えて穏やかとは言えなかったのでは?と思います。

数の時代」「物量の時代」は終わり、「質」を求められる時代が既に始まっている

実際に、セブン&アイホールディングスはイトーヨーカ堂の新規出店を抑制し、不採算店舗や老朽化した店舗を2020年2月期までに40店舗も閉鎖する計画のようです。

ヨーカ堂の創業は、台東区の浅草に開業した「洋華堂」が始まりですが、その経営理念は、、、

「お客様を第一に考える、信用を大切にして約束を守る」

これが創業以来の理念でしたが、実際にこの理念を公約のようにも取れる形で当時の店内には、

「質素な人生観+合理的経営=薄利多売主義」

といった言葉が大々的に書かれていました。そして、1箱分の商品を売っても儲けは“箱代かせいぜい紙袋代にしかならない程”の正真正銘の薄利多売をやめなかったそうです。

しかし、それこそが「お客様の信用に繋がる」とした考え方を貫きました。

そして「顧客」と「感謝の心」を大切にしていたので、「こんな商品はないか?」と尋ねられるとその商品を仕入れ、店頭に並べ、店の前を掃除する時は、両隣の前の道まで綺麗に掃除をしたそうです。

こうした、地道な努力と市場(顧客)の声に真摯に応えるといった努力を続けた結果信用が高まり、繁盛するようになりました。その結果、、、

駅前が「羊華堂通り」と呼ばれるまでに地元に信用される店に育っていったのです。

イトーヨーカ堂だけでなくこの時代、総合スーパーは順調に業績を伸ばし日本各地の商店街も賑わいを見せました。

しかし、1960年以降になると、、、

ダイエーやヨーカ堂など大規模小売店が成長するに従い、各地の商店街は廃れ今では往時の見る影もない状況です。

こうした状況を招いた原因の一端は大規模店舗にあるのは否めないのですが、市場の環境は時代と共に変化するものであり「我が世の春」を謳歌した大企業も時代の変遷とともに、その姿形を変えざるを得なくなってきていると思います。

1974年には「大規模小売店舗法」(大店法)が施行され、ヨーカ堂などの大規模小売店への規制が強化されました。しかし、この法律は、

「中小小売業者を過度に保護するもの」

と言われ、結果的に「競争がなくなり、日本の小売業者はコスト意識をなくした」と伊藤社長は喝破していたと言われます。

この事が契機となり伊藤社長は高い回転率の商品だけを集めた「コンビニエンスストア」に注目するようになりました。そして、これが後にセブンイレブンを手掛けるきっかけになったと言われています。

1982年に減益減収を迎えた事でヨーカ堂は「規模の拡大から個店の収益性を高める」といった方向に舵を切り、業務改革を断行しました。

改革の内容は、POSシステムの導入、売れない「死に筋商品」の排除と売れ筋商品の拡充など、あらゆる改善活動を実施し、生産性、利益性の拡大を行いその活動は今日でも続いています。

しかし、売上高の低迷は数字として表れていて2007年2月期の売上高1兆5115億円に対して、2016年2月期では1兆2895億円にまで売上が減少しています。

これは既に市場環境が様変わりし今の総合スーパーでは、

「なんでもあるけど、買いたいものがない、、、」

と言われてしまうのが今の大型店舗の姿だと思います。ですから「数の時代」「物量の時代」はもう終わり、これからは「質」をより求める時代になっていくと思います。

未来に残る資格を手にする為の条件

では、昔以上に物が売れなくなっていく時代に何をもって「売れる商品」を定義すればいいのか?ですが、それには、原点回帰しかないと思います。だからこそ、、、

今の時代はなおさら「顧客」と「感謝の心」が大切であり、

「お客様が欲しいものは何か?」

「何を約束し、それをどう守るのか?」

を改めて考える事ができる会社だけが、未来に残る資格を手にできるのだと思います。

最後までありがとうございました。

追伸

ビジネス環境と市場の要求は、時代の流れと共に大きく変わっていくのですが、かつてイトーヨーカ堂が舵を切った「コンビニエンス事業」もその最大の特徴でありメリットだった24時間営業から、深夜営業の取りやめに方向転換を迫られています。

結局のところ「商売」とはお客様の望むものを売り、お客様の望むことを提供する事が全てであって「これなら絶対に間違いがない!」と言い切れるものは1つもないのかもしれません。

だからこそ、自分の頭で現実的な判断をし、それを実践することでしか、あなた自身が変わっていく事はないのであり、生き残っていく事も出来ないだろうと思います。

 

 

 

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